イズクラシ、楽しんでます。千田です。
お蕎麦の記録です。
まごころ市場で働いていた10月のある日、初めてお会いする浮橋の区長さんからこんなことを言われました。
「蕎麦の花が咲いてるぞ」
ソバノハナ?
蕎麦って花が咲く??
ということで、その日に早速行ってみました。
橋の近くの畑、という情報を頼りに20分ほど迷い、民家に寄って道を聞き、それでも迷い、結局通りかかった先ほどの区長さんに再会して畑まで案内していただくというウルトラCの結果、人生初の「ソバノハナ」に出会ったのです。
蕎麦の花って、白いんですね。小さな、意志の強そうな花がたくさん。
この日は10月の初旬ですでに花の美しさのピークは過ぎていたとのことですが、しかしかなりきれい。
でも、ここからどうやって「蕎麦」になるんでしょう。
不思議が止まらない。
止まらない僕は、図々しく蕎麦の収穫を見させていただくことにしたのです。
収穫はトラクターで。
これも、今まで見たトラクターで一番大きい。否応無しにテンションが上がります。
一方、「なぜこいつはこんなにテンションが高いんだ」といぶかしげな皆さん。
しょうがない、人生初なんだもの。
全員で畑まで移動し、トラクターを下ろします。
こういう一つ一つに、現場感があります。
「蕎麦を食べる」
の裏側に「蕎麦を育てる」だけじゃなく「蕎麦を収穫するためにトラクターをトラックから下ろす」という行為が存在しているんです。
なかなか思い至ることはできませんが。
地域おこし協力隊として取材、というよりも
千田一徳一個人として、とても興味深く楽しいです。
なぜって?
それは、蕎麦の収穫が稲とはまた違う変わった方法で機械が使われていて、それを見るのもやはり人生初で、毎日が人生初づくしだから、です。
蕎麦の刈り取りは、トラクターの前部についている筒のようなところが回転して行われます。
これを機械内部できざんで、かつふるいのようなものにかけて「蕎麦の実だけ」を取り出す、というプロセスです。
10月に見た花はすっかり枯れており、その代わりに黒っぽい実ができています。
黒い実を1つとって中を見てみると
白い!
これを潰すと、粉になりました。
なるほど。
つまりこの工程を製粉機械が担う、というわけですね。
勉強になります。
で、30分ほどトラクターを走らせた後にベテラン方が何やら異変を感じてトラクター内部を見てみると、トラブルが発生していました。
収穫の前日は、雨。地面が濡れていました。
収穫時、風雨の影響でピンと立たずに寝ていた蕎麦を刈り取ろうとしていたら、前日の雨でドロ化した土が蕎麦と一緒に機械に入り、本来は蕎麦の実をふるう網の目のようなところやその他の内部機器に付着してしまっていました。
これではいくら刈っても蕎麦の実は古いにかけられません。
どうする!?
機械を綺麗にして、畑が乾くまで待つべ。
なんとも決断と行動が早いものです。
30分ほど掃除をして、ここまで。
後は場所を近所の農家さんへと移し、コンプレッサーという機械で付着した泥を吹き飛ばします。
するともうお昼ご飯の時間。
何もしていない私もお昼を頂戴して、午後収穫を行う畑の視察へ。
うん、今度はさっきのところよりも土が乾いていて、かつ蕎麦も乾いている。
収穫開始!と思いきや、15分後にトラクターから煙が。
「ベルト焼き切れちまったよ」
あちゃー
こういった現場での一つ一つの積み重ねで、私たちの食卓というのは存在しているんですね。
重ね重ね、感謝しかありません。
この日は僕はここで帰宅。
しかし、やはり蕎麦への興味が止まらない私。
後は粉にするだけかぁ、などとうずうずしていると、農家さんから電話が。
「製粉所にいるからおいで」
いくいくーぅ!
ところで、製粉所ってどこかしら。尋ねてみると、指定された場所はいつもの浮橋の公民館。
?
おぉ!
めっちゃ立派な機械がある!
確かにここは、製粉所だ!!
有志で建てたんですね。
普通、地域に製粉所ってあるんだっけ?
もう何が普通で何がそうじゃないのかがわからない。
もう、これが何か分かるようになって来ました。
この大量の蕎麦の実を、粉にするわけですね。
画面右側には、いわゆる「そば殻」が排出されています。
これが一体どうなるんだろう。期待に胸が膨らみます。
「これが製粉が終わった蕎麦だぞー」
-たららーん!
オォォォォ!
思ったよりも、白い!!
10割の蕎麦の見た目はもっと黒いので、純粋なそば粉の色は黒いと思っていました。
やはり、百聞は一見にしかず。
花を見て、実を見て、収穫を見て、製粉を見ました。
ここまできたら、
「食べる」
までやらないと。
ということで、ここ浮橋地区では12/3に浮橋そば祭りが開催されます。
これは、行かないと。
浮橋そば祭り、オススメです。
[…] なめこにそばにと色々と顔を出させてもらっている浮橋地区。 […]