twitterでびっくりするニュースが飛び込んできました。
まちおこし協力隊をしながら、カヤックの仕事もしませんか?
一緒に新しい「地域おこし協力隊」の働き方を模索できる方を募集中です。https://t.co/kkfWmPLJTx— 面白法人カヤック (@kayac_inc) August 30, 2018
あえて地域おこし協力隊を募集するなんて、なんて面白い。
名前だけは知っていたカヤックですが、調べてみるとweb事業以外にも地方創生に関わる業務もされているようです。
なるほど、企業と協力隊がリレーションを組んでやれれば活動の幅も広がりますね。
そして、そんなカヤックの地方創生業務の1つを見るとまちの社員食堂という取り組みが。
これは面白そう。
僕の活動にも応用できないかしら。
ヒントを求めて僕は鎌倉に行きました。
-今回はこんな話-
- まちの社員食堂@鎌倉に行ってみた
- 鎌倉で働いてないと、利用できないことを知らなかった
- スタッフの方の無限の優しさで超特例で食べさせてもらった
- 食器返却口に、ローカルビジネルのあり方を見た
注意
まちの社員食堂@鎌倉は利用者に制限があります。
- 鎌倉に住んでいる
- 鎌倉で働いている
- 上の条件を満たす人と同伴
これらの人だけしか使えません。
運営上のコンセプトからです。
鎌倉には食べるお店がたくさんあるので、名店を探しましょう!
Contents
まちの社員食堂@鎌倉について
まちの社員食堂は面白法人カヤックが提案し、鎌倉に拠点を置く企業や団体が共同で運営している食堂です。
まちの食堂への思い
まちの社員食堂HPには食堂に対する思いについてこんなことが書かれています。
鎌倉で働く人たちが集う「まちの社員食堂」をつくりたい。
そんな思いから、鎌倉に拠点を持つ企業・団体22社が手を取り合って、鎌倉で働く人限定の「まちの社員食堂」をつくりました。
鎌倉の31のお店が週替わりで、鎌倉で働く人のために、朝・昼・晩、健康的でおいしいメニューをふるまいます。
働く人たちが集う。集う場から、交流が生まれる。そんな場にしていきたい。
「まちの社員食堂」は、鎌倉の地域に根ざした、働く人のための食堂です。
地域での活動でも通常のビジネスでもそうですが、
- 誰に
- どんな価値を提供するか
がはっきりしているって大事。
ここがぼんやりしていると軸がぶれてサービスの質も落ちちゃいますしね。
まちの食堂の成り立ち
まちの食堂は、鎌倉に拠点を持つ企業や団体が社員数に応じて会費を支払っています。
それを原資として運営しているんですね。
地域で活動をしていてポイントだと感じるのは、
- いかに対象者を巻き込むか
- いかに継続可能性を高めるか
という2点です。
まちの社員食堂のシステムは、協賛企業からの会費が事業原資となっています。
それだけではなく、協賛企業で働く方々が利用する場合は100円引きになるというメリットを提示することで自然と対象者である「鎌倉で働く人」が巻き込まれるようになっていますね。
会費を集めて、払ってくれたら広告に載せるよ!
と言ったものではなく利用者に利益が還元される仕組みはとても面白い取り組みです。
まちの社員食堂@鎌倉に行ってみた
そんな面白そうな取り組み、伊豆からなら車で2時間で体験できるぜ!ということで行ってみました。
外観からオシャレ
とにかく、オシャレって大事。
「鎌倉で働く人を支援します!」
はっきり書かれていますね。
食堂は、朝昼夜の3部制です。
ポイントは、毎週出店する飲食店さんが異なるということ。
僕がお邪魔した時には山形のお酒や食事を出されている「ふくや」さんでした。
出店される飲食店さんは鎌倉でお店を構えられているところがほとんど。
これは、出店側にもメリットがありますよね。
まちの食堂で食べてもらって、気に入ってもらえれば自分のお店のお客さんになるかもしれません。
ここでも巻き込む仕組みが作られています。
入店すると、券売機が。
券売機ボタンには協賛企業の会社名がそれぞれ貼ってあります。
なるほど、自分が協賛企業の社員だったらこのボタンを押せば食券が買えますね。
企業ごとの利用率もこれで計れるので、運営/協賛双方が数字分析に使えますね。
すると、店員の方から声をかけていただきました。
「名札入れに、名刺を入れてくださーい」
ふと見ると、首からぶら下げるタイプの名刺入れが。
これで協賛企業の人間かどうかがわかりますね。賢い。
店内でもお互いの名刺が首からぶら下がって入ればコミュニケーションもスムーズになりそうです。
が、僕は超絶部外者なのです。
「あ、名刺ないんです…」
「鎌倉在住の方ですか??」
「いえ、違います。」
「どちらからいらしたんですか?」
「伊豆です」
「い、いず!?」
「ここ、鎌倉で働いている方の食堂なんです。鎌倉に住んでいるか、鎌倉で働いているかそういう人と同伴じゃないと利用できないんです。」
「鎌倉は観光客の方が多いので、働いている方がランチ難民になることが多くて。なので、ごめんなさい…」
「あ、そういうことなんですね。全く知らずに、大変失礼しました…。」
僕の尋常ならざる雰囲気を感じ取ってくださったのでしょう。
店員の方が聞いてくださいました。
「もしかして、ここに来るためにいらっしゃったんですか?」
「そ、そ、そ、そうなんです…」
ここで改めて自分が何者か、なぜここに来たのかを説明しました。
すると、店員の方が調理をされている方に確認をしてくださいました。
「そういうことであれば、今回だけ特別に大丈夫です。
ピークも過ぎてますし、食材もまだ多少あるので」
*まちの食堂は提供食数が限定されています。
「あ、ありがとうございます……っ!!」
きちんと調べず、確認もせずに伺ってしまって大変失礼なことをしてしまいました。
なんども言いますが、まちの食堂@鎌倉は鎌倉で働いている方のための食堂です!
僕みたいにならないよう気をつけましょう。
「ふくや」さんの山形そば
上に乗せる具材はセルフで。
本当に社食みたいで楽しい。
これでビール飲みたい。
仕事終わりにここに寄って、ちょっと一杯とか最高じゃないですか。
そして、店内もおしゃれ。
システムがいいのはもちろんなんですが、やっぱりおしゃれ大事。
また行きたい、って思ってもらうにはおしゃれ大事。
野外もあるもの。
ここでたしなみたい。
お酒をたしなみたい。
そして、おしゃれももちろんですが一番驚いたのはこの食器返却口。
みなさんとってもきれいに並べて返してます。
例えばショッピングセンターのフードコートでこんなに綺麗に食器を返しますでしょうか。
けっこうぐちゃぐちゃになってますよね、通常。
でもまちの社員食堂はこんなに綺麗。
それは、利用者一人ひとりが「自分たちの大切な場所だ」と認識しているからでしょう。
あなたが何かサービスを提供したとします。
カフェでもいいです。
八百屋でもいいです。
アプリでもいいです。
その時、利用者の方が
ただサービスを利用する
のと
自分にとって大切なものであるという意識を持ってサービスを利用する
のとでは大きな違いがありますよね。
後者の方が利用者とサービスとの結びつきが強い、と言えます。
全ての企業が、この状態に自社のサービスを持って行きたいと躍起にやっていますがなかなか難しいのは容易に想像できます。
ローカルで、サービス対象者をぐっと絞り込んで、高い付加価値を提供するからこそこの結びつきの強さが生まれたのだと思います。
この食器返却口はとってもとっても興味深い秘密が隠されていました。
まとめ:まちの食堂@鎌倉でローカルビジネスの一つのあるべき姿を見た
僕は伊豆で活動して、模索する日々を送っています。
そんな中、まちの食堂が持っている様々な仕組みはどれも興味深いものでした。
- 対象者を鎌倉で働いている人、居住者に限定
- 協賛企業の社員が利用する際には割引
- 週替わりで鎌倉のお店が食事を提供
サービスと利用者を強く結びつけて、事業継続性を高める
このエッセンスは必ず自分の活動でも使えるはず。
非常に実りある鎌倉訪問でした。
あと、
おしゃれ超大事。