イズクラシ、楽しんでます。伊豆の国市地域おこし協力隊千田です。
東京の生活に疲弊しきっていた僕たち家族は、改めて「理想とする家族像」を話し合いました。
その結果、「東京である必要は全くない」という結論に至りました。
それでは、なぜ「地域おこし協力隊」を選択したのか。
それは、僕たち家族の現状/未来にとって「最も魅力的な選択肢」だったからです。
移住する前に話した家族の結論
夫婦で話し合った結果、「家族ファースト」が最も重要であるという結論に至りました。
現状
まずは第一歩として現状を確認します。
間もなく2歳の娘はすくすくと育っていますが、平日に娘が起きている時間にコミュニケーションが取れることはほぼありません。
帰宅して妻から
「今日は娘が2語文を話せるようになったよ」
「おもちゃを手渡したらありがとうと言ってくれたよ」
という話を聞くたびに週末が恋しく感じます。
一方で家事育児の負担を一手に背負う妻は24時間全く自分の時間を作れません。
出社前、帰宅後、週末と僕ができることはありますが、それでも家事/育児の全体量から見れば微々たるものです。
また、これまで仕事等で存在していた社会との接点もなくなり、マンションの1室で娘と二人きり、という毎日はこれまでの環境と大きく異なるため違和感を感じざるを得ません。
実際に僕がその立場であれば、閉塞感を感じてしまうと思います。
以上から、僕が会社に長時間拘束されることで
・僕の娘との関わりが著しく制限される
・妻の自由、時間が著しく制限される
・夫婦間、家族間のコミュニケーションが著しく制限される
これらが考えられます。
上記の制限から、夫婦のストレスが溜まります。
(僕/私だって頑張っているのに分かってくれない)
(そっちはいいよね、○○なんだから)
その結果、けんかが増えます。
よりストレスが溜まります。
悪循環。
それで得られるものはなんでしょう。
東京で普通に暮らして行けるお金、です。
無駄遣いはせず、でもたまに外食ができて、貯金も少しはできて、保険もかけられて、
30年ローンくらいだったら東京の郊外にマンションか近県に一戸建てが買える、お金です。
理想
次に理想を話し合いました。
まず出た結論は、
「努力して現状をキープしてまで東京/近郊に家もマンションもいらない」
でした。
そして
・家族がいつも笑っていられること
・家族の時間が豊富にあること
・家族が好きなことをやれていること
・上記を満たした上で最低限の収入があること
がお互いの理想であることが確認できました。
ここから導かれる職業は、サラリーマンではなく自営業に近いものが想定されました。
が、特に独立できるスキルも無く、
「人とコミュニケーションをとるのが好き」
「元気」
くらいしか取り柄の無い僕が急に独立できるわけはありません。何をするんだと。
「地域おこし協力隊」の発見
地域おこし協力隊前の自分
僕は大学を卒業した後、時系列で
・金融会社(超安定)
・ラーメン屋(バイト)
・青年海外協力隊(アフリカ)
・IT(結構大手)
と経験してきましたが、金融とITのどちらでも「千田くんてうちっぽく無いよね」と言われ続けてました。
逆にラーメン屋、協力隊では「千田くんっぽいよね」と言われ続けていました。
千田:「なんでうちっぽくない?」
人:「なんかすごい自由な感じだから」
確かに。
ということで、組織に縛られない働き方を選択するべきかなと考えました。
しかし、特別なスキルが無い自分が東京で何かを自分でやるって、【自殺行為】ですよね。
何を1つするだけでも「人生の全てをかける」くらいの投資が必要なイメージ、東京。
「コーヒーとか好きだからカフェとか良いよねー」
なんて軽い感じでは絶対できない。
まして家族もいるし。
この「簡単には動き出せない」感がサラリーマンを縛るのだろうなと実感しました。
地域おこし協力隊との邂逅
でも、我々家族にはコンセンサスがあったのです。
「東京に縛られる必要は無い」
元々僕たちは地方出身。
僕は仙台市、妻は静岡県東部出身。
何かやるにしても地方の方がやりやすいんじゃない、とお互いの出身に近いところに照準を当ててみました。
東京ほどではないが、それぞれ仕事はある。でも、会社勤めしたら結局同じ。
組織に捕われずに自分が好きなこと、やりたいことに挑戦したい。
でもお金も必要。
せめて、副業OKな会社でメインの仕事をしつつ副業としてやりたいことをどんどんやってみて
かつ生活できるだけのお金が欲しい。
そして自分が「これだ」と思えることが見つかって育って来たら独立したい。
そんなうまい話があるわけ、
あった。
「地域おこし協力隊」というものだ。
地域おこし協力隊とは
そもそも地域おこし協力隊とはナンだろう。
ざっくり言うと、
国:「人口の都市部一極集中を改善したい!」
「各地方でもっと面白いことやってほしい!」
地方:「いろいろやりたいけど人がいない!」
「いろいろやりたいけど人に払うお金もない!」
国:「じゃあ、地域おこし協力隊って制度作るよ。
その人の人件費、払ってあげるよ。でも、最長3年だよ!協力隊にやらせたいことは自由に考えてね」
地方:「イイネ!」
ということのようです。*あくまでも千田の私見です。
詳しくは下記サイトをどうぞ。
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/about/index.html
実際上記のサイトで調べてみると、実に様々な自治体が様々な職種で地域おこし協力隊を募集していることが分かります。
「移住促進のお手伝いをしてください」
「観光客を増やすお手伝いをしてください」
「農家になってみませんか」
「漁師になってみませんか」
「商店街の活性化をしてください」
などなど、各地域で特色のある仕事があります。
そしてこの制度、僕から見ると
「ベーシックインカムをいただきながら起業準備ができる」
というまさに理想通りの条件だったのです。
ポイント1:ベーシックインカム
どの職種もおおよそ月給が166,000です。
ここから年金、保険を自分で支払うのでざっくり11-13万円程度が手元に残ります。
「家賃を上限5万円まで補助するよ」
という職種もあるので実質家賃無し、手取り12万円前後となると基本的な生活を営むことは可能です。
ポイント2:副業OK
「協力隊として○○時間働いてくれれば、それ以外の時間は副業しても良いよ」
という募集が存在します。
かなり夢が広がりますね。
自分の仕事をしながら興味があることをどんどんやってみて、興味と仕事がつながってさらに広がる、なんていうことも容易に想像できます。
例えば、
商店街活性化の仕事、農業に興味があって農家さんに出入り
→自分の畑/地域の畑で育てた野菜を提供する野菜レストランの開業
防災の仕事をやりつつ、土地が広いのでドローンをやってみる
→ドローンで過疎地の見守り、自然豊かな映像素材の販売、ドローン大会の主催
などなど、妄想が広がります。
が、一方でデメリットも浮かびます。
それは、「自分から動かないと終わる」です。
「与えられる仕事」によって発生する給料は前述の通り。
我が家の出納は、この給料だけだと赤字になります。どう考えても。
従って、自分でどんどん動いて「仕事を作って」いかないと、破産です。
金銭面については
「仮に協力隊の給料のみで生活しなければいけなくなったら何ヶ月もつか」
を計算し、副業によって収入を得られるようになるまでの期限、を可視化する必要があります。
そこから逆算して独立までのPDCAを立てないとなりません。
与えられた仕事をこなすことがメインだった僕にはちょっと大変な作業です。
でも、デメリットを越えて余りあるメリット。
地域おこし協力隊は、
「何をしたいかは分からないけれど、一旦組織を離れて挑戦してみたい」
と言う人にはぴったりの制度だと僕は思います。
そして実際に、
「何をしたいかは分からないけれど、一旦組織を離れて挑戦してみたい」
「ダメだったらまたサラリーマンに戻れば大丈夫」
と思っていた僕は、地域おこし協力隊になることが決まったのでした。